刀ミュ衣装についての感想と考察

服飾のプロ目線の刀ミュ衣装についてのあれこれ

初めて動く刀剣男士を見たときの衝撃と戦装束について

2019.07.22追記

内容をより伝わりやすくするために、原文・編集の2人体制でブログを書く事にしました。当エントリも後日編集・再構築してUPし直します。

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 -----------------追記ここまで-----------------

 

 

初めての2.5次元がらぶフェス2017。

なんの予備知識もなく行きました。

とりあえずうちわだけは調べまくって作った。今思えばその前にやることあるだろと冷静に思えるのですが、ちょっと頭がおかしかったんでしょうね。

動画が配信されているのもよくわからなかったので、刀ミュの公式サイトのメインビジュアルしか見てない状態です。

奇跡的に良席だったのでかなり近くで見ることが出来ました。

 

とにかく再現度すげえ。刀剣男士が動いてる!!

ぽっかーん。

そして、衣装チェンジ。

何それ聞いてない!ってリアルで口から出ていたと思います。

(予備知識がないにもほどがありますね、ほんとに)

内番服もあるの知らなかった。

口半開きでガン見している間に公演が終わりました。

かっこいい!すごい!しか出てきません。

まあそんなわけで、のぼせたままで終わったので衣装については後日の動画配信をじっくり何度も見て気づくことがほとんどです。

アリーナ席で見上げる状態だったので衣装までよく見えなかった部分もあります。

 

衣装については映像と持っているものはパンフレットを見て書いていきます。

 

本題の衣装について(戦装束)

刀ミュの予備知識がなくゲームのキャラだけはめちゃくちゃ分かる状態の私が公演を見て

刀剣男士が画面から出て来た!!と普通に思った=再現度が高い

二部衣装はかっこいい!すごい!素敵!!とキャラと衣装の違和感がなく見惚れた

この二点は当たり前のことですが実はとても難しいのではないかと思います。

(二部衣装については公演ごとに別に書きます)

 

まず、戦装束ってイラストを立体にしていますね。ゲームのキャラを作る時にどこまでを考えていたのか(2.5にすることとか)はわからないのでここでは無視します。

絵ならいくらでも何でも描けるんですよ。天女の羽衣みたいな空中に浮いてるものとか重力無視のでかい羽とか…

じゃあそれを作ってくださいって言われると、まあそのままは無理ですね。

コスプレ衣装作ったことがある人なら分かるかもしれません。

とうらぶの戦装束ってそんな難しいのある?って思うかもしれませんが、あれを着て動けなければいけない&公式作品としての完成度を求められるので厳しいと思います。

図録(+なにかしらの資料)しかない状態で、生地から選んで見られる物を作る。

ぶっちゃけ仕事で依頼されたら断りたいです。

後日トライアル公演の配信を見て試行錯誤の軌跡を感じました。

図録で三日月さんのお衣装解説読んで、うげぇって感想しか出ませんでした(つい作る方で見てしまったので)

 

全体のイメージをそのままに、服として成立させるために省略するところと残すべきところ。

イラストの比率をそのまま服にするのではバランスが崩れるのでちょうどよく決まるバランスにする。

(巴形さんのリボンや羽が例としてはわかりやすいですね)

 お着替えをするので着付けに時間がかかると困る。

 

具体的には、行灯袴(スカートのような筒の袴)のキャラでも動きを優先して普通の袴にしている

今剣ちゃんの高下駄は普通の草履になっている

 

現実的です。ちゃんと殺陣できます。

でもキャラのイメージは崩れていません。

動いても着崩れない工夫もたくさんされていると思います。

(激しい動きではだけるのと着崩れるのはちがいますので) 

 

興行としてお金を取ってみせているんだからもっとちゃんとやって!というコメントを見かけることもありますが、うんまあ、うん…

推しキャラがイメージと違ったらやっぱりちょっとそんな風に言いたくなるかもしれませんね。

全体的には、よく出来ているなあと思いました。

 

私の好きなキャラ膝丸(+つはもので沼った髭切)だけ熱く語りますよ。

完璧でした。ありがとう!!

袖の房が動きにあわせて揺れるのが大好きです。

源氏兄弟は白と黒と対比がわかりやすいデザインですが、ディテールはそれぞれですね。

まず二人ともジャケット丈が絶妙。膝丸は短すぎず長過ぎず、動くと白いシャツがガッと見える。あれ以上短かったらボレロみたいだし、長かったらシャツ見え分が足りない。髭切のジャケットは羽織っているだけなのにあんなに動いても型くずれしない。ヒップが一番きれいなラインのジャケット丈。

そしてパンツはジャストウエスト。図録と同じ、髭切はセンタープレス。

きっちり感がすばらしいです。

ラペル(折返っている衿)の大きさが少し違っただけでも印象ががらっと変わるので、いいバランスだなあと思います。

前端のあわせのところの持ち出し分の布(紫色っぽいジャケットにくっついてるあれ)がベロアなんですよね。ついでに肩章(肩の飾り)にも同じ生地が使われている様子。サテン(つるつるしてるやつ)でも普通の生地でもなくて毛足があるベロア。ぐっと高級感が漂います。

強いて言えばベルトがレディースを使っているのかな?ってところが気になりましたど些細なことです。

他の狩衣とかなんか構造がわからん衣装よりはベースがジャケットとパンツなので作りやすいかもしれません。

今はストレッチの生地がたくさんあるのでタイトに作っても動けます。ただし、伸びがいい生地でかっちりしたジャケットを美しく作るのは難しいので生地(素材)の選択もかなり考えられているのではないでしょうか。

あとは全体的に縫製がきれい。パターンもだけど縫製がほんとにきれいなので、いいところ使ってる(のかスタッフが縫製もしてるのかな?)んだなあと余計なことを考えてしまいました。

 

そういえば三日月さんのお衣装は生地から作っているんですかねえ。

イラストからは分からない素材感の違いがそれぞれあります。

素材によって舞台映えが全然変わってきます。(これは二部衣装でもすごく感じました)

そんな細かい一つ一つが積み重なって「かっこいい!画面から出て来た!!!」という一言に集約されたのでした。

 

ここまで書いておいてなんなんですが、この衣装についてのBlogは二部衣装がメインのつもりなんですよ。

でも戦装束も素敵だったので書いてしまいました。

 

内番服はね、ほんと最高でした。

資料がらぶフェスの動画(円盤)しかないのでじっくり見られず具体的なことを掛けないのが残念ですが

蜂須賀さまの内番服姿が刺さりました。すき。

いやもう全員素敵でかっこ良くてかわいかったですよ。

見ると好きになってしまうタイプです。

 

戦装束については気になったことがでてきたらまた追記したいと思います。