刀ミュ衣装についての感想と考察

服飾のプロ目線の刀ミュ衣装についてのあれこれ

色と質感で魅せる〜陸奥一蓮 二部衣装〜

追記あり2024/5/7

■第一形態

第一形態 集合・大包平

第一形態 鶴丸・山姥切国広(クリックで裾までの写真)

第一印象はモノトーン。全体的にノーブル。

白と黒がメインの生地にグレーのもふもふのファー。飾りは基本的にクリアカラー。
ブーツがお揃い(ブーツがお揃いなのは今回が初めてだと思います)

ほぼ色がない中で、赤が目を引く。
加州の衿の縁とシャツと腕のベルトの赤。大包平のウエストベルトの赤。
他の男士のシャツはモノトーンに近いです。蜂須賀は黒。

赤だけはそのまま使っているのは、燃える血の色っぽいなと思いました。

裾にはキャラ色が控えめにグラデーションで入っています。
裏地もトーンを落とした色。
ブレード(飾りテープ)はシルバー、ビジューはクリアカラー。
加州の肩章の房もモノトーン(後述あり)。
ズボンも黒。
徹底して色味を抑えた感じがします。

色味を抑えても地味じゃない

ブーツは揃いですが、さりげないデザインが入っていたりソールのサイドが金色です。
三日月の髪飾り(戦闘と同じ)とベルトの金具も金色です。
蜂須賀のラペル(衿)についているビジューがたぶん紫です。

色味を抑えても地味じゃない。こういうところ大好き。

そして、ビジューやストーンが照明を反射してキラキラと輝きます。

ジャケットコートのシルエット、裾のボリューム感に各男士の個性が出ています。
蜂須賀のエレガントな丈、ストレートシルエットの大包平、水心子はケープが可愛い。

三日月だけ裾の形が左右で大きく異なっています。左右それぞれから見たときの印象がガラッと変わるのは面白いです。月の表と裏のようだなと思いました。

第一形態 水心子 白地に花の模様


そして生地にも注目!

黒地に白のカスレ模様。白い部分に白で花が描かれています。
裾に各色グラデーション。全体にラメっぽい。
これさあ、また生地から作ったの?そんなことってある?まじで???(過去作では江おんのチェック柄はオリジナルプリントの生地です*)
この絶妙なカスレ感がとてもいい雰囲気で好きです。第二形態の生地(織柄)との差がいいですね。

 

加州の肩章について

加州 第一形態

肩章の房飾りが公演の途中で変わりました。
東京公演では黒(ブロマイドと同じ)だったのですが、凱旋公演で見たときにはシルバー(白)になっていました。(引用の写真は凱旋公演期間)
大阪公演ではどちらだったのかはわかりませんが、公演の途中でデザインに変更があるのは珍しいなと思います。理由はわかりません。

シャツの着こなし

第一形態 集合

蜂須賀は黒のウィングカラーのシャツと黒のレースタイでエレガントに。
水心子はジャケットコートの首ガード。
この二振りは安定の着こなしですね。

一方、そのほかの五振は第二ボタンまで開けて、ワイルドな着こなしになっています。
三日月と加州は黒のチョーカー。
大包平は黒の太めの二連チェーンネックレス。
山姥切国広と鶴丸も襟を大きく広げた着こなし。
この五振りのシャツの第二形態での変化に注目です。

 

■第二形態

陸奥一蓮ライブ衣装第二形態 イメージ図

第二形態 大包平・水心子・蜂須賀

第二形態 三日月・水心子・鶴丸大包平

第二形態 加州・山姥切国広

個性の爆発。シンプルなのに派手!

なんかもう、ありがとうございます!!しかない。

王族のパーティーかなにかかな。と思ったのは、ラペル(衿)がサテンだからかもしれません。
カマーバンドっぽいデザインも相まって、フォーマル感が出ますね

----------追記 2024/5/7------------
タキシードなどの礼装はラペル(衿)が光沢のある生地です。そのため、今回の第二形態のジャケットにフォーマルっぽさを感じました。
-----------追記ここまで-------------

今回はいつもの衣装に比べ、装飾が少ないです。ジャケットのデザインもシンプルです。

三日月・鶴丸・加州・山姥切国広・大包平の五振は、第一形態と同じシャツ。着こなしを変えると、ここまで印象が変わるのか!という驚きがあります。ボタンを上まで閉めてブローチやチェーン飾り、リボンがつくことで”きちんと感”が出ています。
大包平は太めのチェーンネックレスがなくなりワイルドからスッキリへ。

とにかく生地が豪華

凹凸がある織り柄生地とフラットな織り柄生地、サテン、大胆な模様(水心子)、と生地を巧みに使い分けています。
生地がとても豪華なのでステージ映えしますね。

ジャケットは飾りボタンが両側についているところが好きポイントです。

それでですよ
三日月と鶴丸お揃いすぎじゃないですか?

第二形態 三日月・鶴丸

シャツは色違い
ジャケットもベースは色違い

二振りともチェーンネックレスをしています(三日月はその名のモチーフ、鶴丸は戦装束を思わせる飾り)

仲良しかよ……仲良しだったわ。腹心の友なのかなあ、なんて思いました(個人の感想です)

 

そして個人的に注目の水心子。

第二形態 水心子・大包平

ジャケットは、ラペル(衿)のフチが曲線になっていて柔らかさが出ています。四角い柄模様がチェックっぽくも見えます。これにより若干の”お坊ちゃん感”が出るような気がします。

シャツはとろみのある生地でしっとりとした高級感があり、チェーン付きのブローチと相まって”大人の色気”が感じられます。

反する二つが合わさって最高!!

私が好きなアイテム、シャツ

⚫︎三日月と鶴丸のシャツ
比翼フリル(ボタンが隠れるデザイン)+左側のみピンタック

⚫︎水心子のシャツ
とろみのある生地(しかもグレー!)で、比翼仕立てに太めのピンタック(だと思います)。
衿の縁取りとステッチが黒!(ジャケットは黒地にシルバーの縁取り)

⚫︎加州のシャツ
オーソドックスなフリルシャツにリボンを合わせているところ(しかもリボンは二重+金色足してる)。

最高かよ……ありがとう。

山姥切国広も細かくて、衿とベストがストライプで身頃(ボディの部分)は無地の紺色なんですよね。しかも前立ての両側にオレンジのパイピングで差し色+ピンタック。
はーーーーー天才。

大包平はサテン生地とスキッパー衿の組み合わせが品と雄々しさの両立という感じ。

蜂須賀?エレガントすぎてありがとう。

■第三形態

陸奥一蓮ライブ衣装第三形態 イメージ図

脱がなくたって最高

第一部の傷のペイントの関係とかなのかな?と思いますが、過去一布面積が多い第三形態かもしれません。

ジャケットを脱いだだけ、だけど、それだけにならない。
飾りベルト(サスペンダー)とベストがとてもいい仕事をしていますね。

蜂須賀のベストがダブルで衿付きなの天才。
水心子のベストの胴回りのベルト最高。
加州はシャツとリボンが可愛いからそれだけで充分だったわ。

あとさあ、水心子だけ長袖なのほんとすき。

 

今回のダンサーさんの衣装は今までではめずらしく主張があるなと感じました。
フリルがついたセットアップ、かっこよかったです。

ダンサーさんと蜂須賀

 

舞台が始まる前は、洋装が見たいなあ、なんてほざいていたわけですが、こんなすごいのきた。
毎回毎回期待の上の上が出てくる。
えーーーもうほんと好きしか出てこないです。

二部は体感七分。第二形態であと二曲踊ってください。

 

 

*出典:装苑2023年11月号

 

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