刀ミュ衣装についての感想と考察

服飾のプロ目線の刀ミュ衣装についてのあれこれ

祭の余韻 らぶフェス2022衣装の雑感

祭衣装

水心子(全身前後) *黒のインナーは水心子特有

 

白を基調として、各キャラのカラーを裾にグラデーションで入れてありました。
この祭衣装はシンプルながらも優美で厳かさもあり、祭でも神事の方をイメージしました。
背面の金箔の花びらの配置がそれぞれ違っているところに驚きました。最初は何種類かのパターンがあるのかと思いましたが、どうやら全部違う……?
南泉は紋の上部に三角に花びらを配置することでネコミミみたいになっていて可愛らしかったです。

ソハヤバックショット

 

インナーの衿の色も凝っていて、江は緑でお揃い。虎徹は三兄弟でオレンジでした。帯も全振り違っていてかなり細かいところまで作り込まれていますね。
でですね、これかなりの衣装コストがかかっています。
帯は全部違うし色も違うけどいつものことでは?と思いますよね。そうなんですが、注目したのはインナーの衿。
祭衣装のインナーってほとんど見えません。踊っているときにちらちらっとするくらい。ですので、全振り黒や白でも違和感なく収まったと思います。
それを各刀カラフルにしました。桜模様の衿色との組み合わせを考えなければならないし、色の数の分だけ布を用意しなければなりません。縫製の時に間違えないように指示を的確に出す必要もあります。
さらに別のインナーを着ている男士もいましたね。
この辺りのこだわりに並々ならぬ強い意志を感じました。好きです。

インナーの衿がカラフル

江勢揃い


曲と衣装

歴代公演の衣装を着用していました。保存状態がいいことも驚きですし、それをまだ着れてしまう刀剣男士にも驚きました。
5.6年も経過すれば体型も変わりますし、なかなか大変だったのではないでしょうか。
お直しはそう簡単ではありません。ダーツを解く・別の布を足すなどの方法がありますが、前者は生地によっては針穴が目立ちますし、数年前の当時と同じ布を探すのは難しいです。
そのため、頑張って着たのかなと感じる男士もいましたが、刀ミュの歴史みたいなものを感じることができて嬉しかったです。

岩融と今剣の阿津賀志

 


衣装の組み合わせ

今までは「第◯形態で揃える」が多かったのですが、今回は「見た目で揃える」だったなと思います。
公演によって第一形態がコートとジャケットがあります。ですので、同じ第二形態でもジャケットがありとなしの着こなしになってしまいます。
そこで、ジャケットオン(もしくはそれに準ずる)の時は心覚・江水は第一形態でした。見た目が揃ってかっこよさ増し増しでした。

山姥切国広(第一形態)と松井(第二形態)

 


衣装に意味を含ませる

小竜くんの髪紐の色が本来はオレンジ色ですが、『お前が知っている』と『14th son』(東京後半)だけ黒色の髪紐をつけていました。
これは、本公演の第一部で黒衣小竜景光が出演したことに由来しているのではないかと思います。(この二曲は江水散花雪の曲)

 

千穐楽のTimelineの小狐丸と今剣は阿津賀志山異聞の衣装でした。
刀ミュのスタートの公演の衣装です。
千穐楽までの中で、あつかしの衣装は小狐丸は第一形態を今剣は全形態を着用しているのですが、ラストのTimeline(回替り)にこの二振りが始まりの時の衣装を着て歌ったことには意味があったのではないかなと思います。

衣装には、見映えだけでなくそれを着用することで何かを伝えたり表現したりする力があるような気がします。
着用の衣装は選択の結果なのだと思うと、それだけ大事な位置付けになっているのは衣装好きとしては嬉しいです。

 

小竜髪紐が黒い(通常はオレンジ色)

 


不揃いだけどお揃い

今回刀ミュの江が揃いました。始まる前から「篭手切くんだけ衣装のテイスト違うけど大丈夫かな」と余計な心配をしていました。
いざ揃ってみると、みんなグリーンでした。
心覚組と松井(パライソ)と篭手切(葵咲本紀)、テイストは違うけれど集まってみるとなんとも不思議な一体感?面白いです。

江集合

 


個人的に萌えた話

加州清光が単騎出陣の衣装を着ていた!!!

加州清光単騎出陣の衣装

ジャケットとパンツは初出2018・シャツは初出2017を組み合わせてコーディネートしたアジアツアー(2019)の着こなしです。
加州さんの衣装はどれも全部素敵なのですが、まさか祭で単騎の衣装が見られるとは思っていなかったので驚きと喜びで叫びました。
推測ですが、ジャケットとベストを一体化するというお直しがされています。キャストさんはこの直後のお仕事の関係で筋肉量を増やしているという情報をいただきましたので、その辺りの関係でのお直ししてあるのではないでしょうか。
それにしてもかっこいいです。


清麿くんの衣装が好きすぎる話

清麿第一形 態腰布の紋(クリックで見られます)

第三形態

ショートパンツのシルバーの飾り(クリックで見られます)

今更なんですが、改めて今回じっくり堪能させていただきました。清麿くんの衣装最高です。
まずあの腰布の紋が、黒地に黒プリントでバーンっていうのかっこいい。
全体的に黒なんだけど紫が効果的。腰布の裏地の紫も、布さばくときにちらっと見えてかっこいい。
エストマークの幅広ベルトは、生地の柄と相まって着物の帯のよう。これが女性の帯の位置(ウエスト)に近く、タイトなシルエットもあり中性的に見えます。
そしてジャケットの大きな衿!(絶妙な角度を保ってるのすごい)
ボトムスはショートパンツとレギンス。このショートパンツの丈とゆとり感が最高。
さらにはシルバーのベルト飾りが、なんでこれなのかわからないけど天才的。切替でもショートパンツに直接縫い付けでもなく、浮かせた状態のベルト状態の飾り。
全身からは不思議な魅力を感じます。
えー、もう大好き。天才。ありがとうございます。
第三形態で露出が多すぎないところも好きなんですが、袖のシースルー布は水心子くんのブラウスの布とお揃いです、たぶん。

ちなみに水心子くんの衣装も大好きです。第三形態でブラウスの下にハイネックノースリーブ重ね着しているところとか!
心覚の記事を書けって話ですね、すみません。心覚の衣装についてはツイートしているのでいつかまとめられたらいいなと思います。

 

髪飾り・小物まで最高

蜂須賀のキャストさんがお写真をあげてくださいました。めちゃくちゃ綺麗な御髪と髪飾り。
ブロマイドですらほとんど映らない部分ですが、こんなに凝ってるんですね。

2018衣装、天狼傳(初)

天狼傳(再)

 

他の刀剣男士もそれぞれの公演の衣装に合わせた髪飾りや小さな帽子があります。
過去の衣装を着用の際はきちんとその時の小物を合わせています。
これはかなりすごいことなのでは!と思っています。小物を綺麗な状態で保管するって大変そう。

 

榎本武揚バージョンアップとセーラーダンサーズ

キラキラしてましたよ!ジャケットには飾りがついて、タイも華やかになっていました。
そして、セーラーダンサーズ(と言うんですね?)はライトがついて、完全にどこかのパレードの装いでした。
演出と合わせてものすごくハッピーな気分で楽しくなりました。面白い!

榎本武揚バージョンアップ

セーラーダンサーズ

 

 

真剣乱舞祭は衣装的観点からもお祭りでした。たくさんいろんな衣装が見られて楽しかったです。