刀ミュ衣装についての感想と考察

服飾のプロ目線の刀ミュ衣装についてのあれこれ

伊達双騎二部衣装〜対ではあるがお揃いではない、二振りの個性と一体感の魅力〜

優雅さと凛々しさ、一言で表すなら『それぞれの美』

鶴丸と大倶利伽羅の二振りなので、当然『対』は意識されていますが、単体での各々の完成度がやばい。

 

 

対ではあるけれど、お揃いではない。
それぞれのロングジャケットのシルエットは全く違います。
パンツは、鶴丸は濃紺・大倶利伽羅は黒。
ラペル(衿)は鶴丸はとがっていない形、大倶利伽羅はピークドラペル(とがっている)です。
共通のお揃い部分と、二振の個性の出し方が見事です。

 


優雅な鶴丸

今回、鶴丸の衣装に使われている色は「白・(黒)・紺・金」です。

紺色を入れることで雅さが出たなあと感じました。また、黒ではなく紺色を使うことで大倶利伽羅との差も出ています

 


シルエット

動きに合わせてフワーッと広がる長い裾が印象的。
エストをかなり絞ってあるように見えますが、男性なので胴回りはそんなに細くできないと考えます。
逆三角形に作ってあるラペル(衿)、広がっている裾でウエストが細く見えます。

細い(ように見える)ウエストとたっぷりフレアの入った広がる裾。そこにレースが加わることでエレガントで豪華な印象ですね。

さらには、ジャケットのウエストにキラキラしたボタン(赤)と紐(赤と金)が、ウエストのデザインアクセントになっています。

 


レースと刺繍モチーフ

とにかくびっくりしたレース。裾部分全面の内側にレースを重ねてますね。(余談ですが、ざっくり言うとレースは繊細さと面積が大きいほど高価です)
そして何より何度も見返したのは、裾の後ろ中心のレース切り替え。
ジャケットの裾の布がレースになってます。
回転したときの広がり方が最高。後ろ姿もっと見せてー!

背中の刺繍モチーフは羽のように見えます。ついに羽が!!!!という驚きと納得感。
さらには、ラペルで半分隠れていますが左前面にも刺繍モチーフがあります。


凛々しい大倶利伽羅

 

前回に引き続き「赤・黒・紫・金」。
身頃の赤は大倶利伽羅の赤ですね。赤色の刀剣男士は多いですが、今回の赤は大倶利伽羅の赤だ!という感じです。

 


シルエット

すっきりシャープな印象です。裾の丈が左右で違うところに『映え』がありますね。短い方は思い切り短く、フレアがほとんど入っていない長い方は一部分だけ長いことでひらっとします。
この裾の丈の違いが、動きを引き立てていると思います。

 


恐ろしいほどのテイストミックス

パーツひとつずつは全く異なるテイストをミックスしてます。
「世界の美味しい料理集めて一つの鍋にぶち込んでみました!(禍々しい闇鍋)」になりそうなのに、最高に素晴らしいものが出来上がっているのがマジで神かなって思いました。

肩章のフリンジは洋装
金欄は和装
アクリルミラーパーツで近代的な要素を
レースの肩布とインナープリーツの布でエレガンスさ
スタッズ、合皮のベルトでハードさ

洋×和、エレガンス×ハードという、普通にやったら崩壊待ったなしになるミックスの加減がすごい。ミックスは毎回上手いなあと思うのですが、今回は特に尋常じゃない。

裾に重ねた紫のプリーツ布、本当に素敵ですね。動いたときの流れ方とか最高にエレガントですよ。スタッズとかついてるのに!黒の皮ベルトしてるのに!

 

 

共通

全体のデザイン

上衿(首の周りの部分)がスタンドカラーで、ラペルがちょこっとデザイン違い。袖が着物袖(グラデーションカラー!!)。
洋に和を混ぜた雰囲気の衣装ですが、袖だけが着物袖だと浮いて見えたと思うんです。金襴をところどころに取り入れることで、和が馴染んでいるのかなあと思います。
また、この着物袖も袖口は切り替えてあり、鶴丸はグレーでやや艶のある生地・大倶利伽羅は黒の合皮です。そんなところも、洋と和の混ぜ方に違和感がないところでしょうか。

 

それぞれの長い裾から、インナーに重ねたレースとプリーツ布がちらりと覗いています。
丈!!!!裾から見えてるやつ!!!最高!

しかも、大倶利伽羅はジャケットの裾に黒のフリンジがついているので、そこから紫のプリーツが透けるのがイイ。

 

 

ミラーパーツ

ラペル(衿)についてるキラキラしたアレです。多分アクリルミラーパーツだと思います。
二振りとも左のラペルにびっしり使われているのですが、パーツの配列によって印象が違いました。
本当に個人的な印象ですが、大倶利伽羅は鱗のように見えます。鶴丸は割れた鏡のようだと思いました。

このミラーパーツは肩章にも乗っています。

 


装飾が多い印象だけどうるさくないのは引き算

肩章のレースとフリンジの分量に注目しました。
パライソの衣装と比べてみるとわかりやすいのですが、フリンジ(大倶利伽羅のフサフサしたやつ)が肩先半分にしかついていません。
鶴丸のレースも肩章の幅全部ではなく、肩先部分にのみついています。


引きすぎないデザインポイント

逆に、映えと豪華さのバランスのための装飾は惜しまない というところがあります。
スタンドカラーには飾りボタン、肩のレース布、パンツのサイドのライン……

一番の見せ所を飾り、引き立てるための装飾はしっかりとついています。この足し算と引き算の塩梅がすごいです。

 


そこまでするの!?

ブーツのソール、見ましたか?見てください。
鶴丸が金色、倶利伽羅が赤色です。
こんなソールの靴見たことないですよ!最高。
黒のロングブーツもお揃いと見せかけてデザインがちょこっと違っているのも素敵です。

ちなみに、鶴丸の足首のは金色のチェーンですね。


第二形態

前面(自撮りのため反転してます)

 

鶴丸

 

倶利伽羅

 

かっこいいですね。羽織のまくってある袖口や、縁取りも素敵です。
ちらっと見える(ような気がする)裏地については、岡さんのインスタからの情報をどうぞ。

 

岡さんのインスタ情報

思わずぎゃーっと叫んでしまった、ありがたい投稿です。もうこれは私からは語ることはありません。

ぜひ、リンクから岡さんのコメントと複数枚の写真をどうぞ。

 
 
 
 
 
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暈し染めと生地

 
 
 
 
 
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第二形態の裏地

 

 

ダンサーさんの衣装がやばい

 

ダンサーさん

 

冒頭、黒の上下(ジャケット・パンツ)に黒のシャツ+白いネクタイです。
この黒いシャツが実はノースリーブなんですけど、動きやすさと涼しさを考えた結果なんでしょうかね。
その後、紺色の艶のあるシャツにチェンジします。

 

ジャケットの袖に黒でラインが入っています。二の腕のあたりに金色の刀ミュマーク、ラペルにミラーパーツ、裏地が金色。控えめなのに凝りすぎじゃないですか。ここまでですでに最高すぎて死ぬ(オタクはすぐ死ぬ)

シャツの台衿(一番上の首のところ)がダブルボタン仕様。ノーマルなシャツの衿もとじゃない!あえての白ボタンがポイントになってる!(致命傷)
倶利伽羅のソロでベルトが赤色にチェンジ(気を失いかける)
鶴丸のソロの紺のシャツ+白いネクタイ、ありがとう。鶴丸だもんね白だよね。
そして鶴丸ソロの後は再びノーネクタイになります(再び死ぬ)

 

ダンサーさん、ただでさえかっこいいのに衣装も凝ってて目が足りないから何百回でも見られます。

 

 

とにかく豪華!かっこいい!最高!デザイナーさん天才!!しか言葉が出てきません。再演してくれないかなあ。