刀ミュ衣装についての感想と考察

服飾のプロ目線の刀ミュ衣装についてのあれこれ

『エロい衣裳』ってなんだろう?

前回からの続きです 

 

 


私は刀ミュの衣装が好きだ。
キャラクターを最高にかっこよくみせてくれる。
動きと美しさを考えられたシルエット、計算された露出、舞台で輝く装飾……
その調和が素晴らしく、毎回驚きと感動に包まれる。 


それが軽率な言葉の数々に塗りつぶされるのはいやだ。


とても素敵なお衣装だったから皆はどんな感想を持ったのか気になって、初日からさっそく検索をした。

その結果のツイートはげんなりするものだった。そして「膝丸」でサジェストされるのはセクハラ単語ばかりだった。

 

露出のある衣装やタイトフィットなもの過剰に性的な欲望をそそる可能性がある、そういうデザインは今後なくしていこう。もしも公式がそう判断したら…?と考えてゾッとした。

第三形態なんてアウトでしょう。

だけど、あんなひどい単語が羅列されるならそれもしょうがない。そう思ってしまうほどにはダメージを受けた。

 


でも、そもそもそんな単語が並ぶことがおかしくない?

今回の二振りの衣装に性的な興奮を感じる人はいるだろうし、それは止めない。けれどオープンな場で発言する内容ではないと思う。

 

二振りの新衣装は過剰に性的な欲望をそそる衣装なのか?

 

セクシーさには二種類ある。
ひとつは着こなしや着ている人や仕草から感じるもの。
もうひとつは衣装そのものがセクシーなもの。

マネキンに着せた時を考えるとわかりやすい。前者はセクシーさを感じないし、後者はそのまんまセクシー。セクシーというか、エロティック。

生々しいからぼかすけど、後者はこんな感じです。

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「セクシー 服 男性」のgoogle検索結果

 

 

二振りの衣装について考えてみます。

髭切は中世ヨーロッパのプリンスみたいなお衣装。

ブラウスの開き具合が少し深くなっているのはネックレスが引き立つからだと思います。
マネキンに着せると優雅な印象かな

 

 

 

 膝丸の衣装のモチーフは闘牛士でしょう。

闘牛士の装束は、ジャケットは丈が短くピタッとしたズボンです。
それをデザインに取り入れたお衣装でした。
マネキンに着せたときにどんな印象を受けるかを考えてみると、セクシーというよりは、かっこいい。

特別に過剰に性的な欲望をそそるとは思いません。

そこに情熱的なフラメンコを思わせるパフォーマンスが加わることで、全体的に色気のある膝丸でした。

 

 

アパレルの企画職の審神者ともこの二振りの衣装について話しました。刀ミュを知らないアパレル関係者にディレイを見てもらいつつ、意見を聞いてみたりもしました。
膝丸の衣装はエロい(性的な欲望をそそる)と思うか?という問いには、私と同じような意見でした。
 私は全くそうは思わないけれど、生地の厚さや選択に改善すべき点があったのか?という話もしました。服飾関係者同士で話した感想は、できれば違う記事にまとめたいと思います。
 

  

 

人には好みがあるから、グッとくるポイントは人それぞれです。手袋とか靴下に性的に興奮する人もいる。

 

着こなしや着ている人や仕草から感じるセクシーさ。衣装そのものがエロティックなもの。

 

あのたくさんのセクハラ感想ツイートはどっちだったんだろう?

 

 

セクハラ的な言葉を使ったツイートの中にも、パフォーマンスをちゃんと見ている人がいるのも分かります。でも、えっちな衣装だとか体の一部に触れたひどいツイート多すぎましたイラストのレポは何個か開いてギョッとして見れなくなりました。

 

素敵なイラストレポやセクハラじゃない感想ツイートもきっとたくさんあるはず。

だけどセクハラツイートが目に入るのがいやで、しばらくして検索をやめました。普通の単語で検索したときにセクハラツイートがずらっと出てくるのに驚いたし、耐えられなくなりました。

検索だけじゃない。サジェストにひどいワードが出てくるのは、異常だと思う。

 

いろんな感じ方はあると思うし、それは自由。でもオープンな場でしていい発言とそうじゃないのはある。ここは衣装ブログだからゾーニング的な話はあまりしないけど、エロい衣装とか言われているのはショックでした。

 

 

ゾーニング的な話はこちらのブログが詳しく書いてあると思います。

 

私と同じようにセクハラ言葉に衝撃を受けたり、疑問に思った人が嫌な思いをしないですむといいなと思います。