刀ミュ衣装についての感想と考察

服飾のプロ目線の刀ミュ衣装についてのあれこれ

真剣乱舞祭2016の二部衣装

二部衣装での登場のシーンがすごかったのでそこについてだけ書きます。
あつかしの記事ができていないので取り急ぎここだけです。
前提としてらぶフェス2016はあつかしと天狼傳メンツだけです。この二種の衣装が並びます。

あつかし:チーム三条(三日月・石切丸・岩融・今剣)+加州
幕末天狼傳:新撰組刀(加州・大和守・和泉守・堀川・長曽祢)+蜂須賀

冒頭は戦装束で、人間キャストパートの後に二部衣装(第一形態)で登場。

 

あつかし>>黒のロングコート
コートの隙間からキャラ色がチラ見えするものの、全体的にお揃いの黒のロングコート。石切丸はコートの左肩がカットされており、下に着た濃緑のジャケットケープが見えます。が濃緑ということもあり黒のコートの印象が強いです。

天狼傳>>各カラーのロングジャケットに濃紺のハーフマント(左側)

 

バーンと並んだときに《あつかしvs天狼傳》の形式になるんです。
つまり黒のロングコートvsカラージャケットに濃紺ハーフマント
この色の対比が物凄くかっこよく最高の見栄え

加州さんどっち着るの問題は、第一形態は天狼傳でした!!が、彼は黒のジャケットなので【黒いジャケット、黒いパンツ、濃紺のハーフマント】という、どちらにも溶け込むマジック。Amazing!!(詳細は後述)

 

全員が交互に配置された時も圧巻です。
マントを翻しあざやかな色を纏って踊る天狼傳、真っ黒がなびくあつかし三条
この対比は意図したものなのか、正解をインタビューでききたい!まじでクソかっこいい
(石切丸の色が出ている部分がチーム天狼傳のカラー側と逆なのも偶然の産物なのかどうでしょうか)

 

ところで天狼傳の加州(第一形態)って【黒いロングジャケットに赤いパンツ】なんですよ。あれ?ってなりますね。
この天狼傳のコートジャケットを脱いだら第二形態があつかしなのでパンツはそちらの黒なんです。
加州は天狼傳第一形態(+パンツはあつかし)あつかし第二形態天狼傳第二形態(ここは上下着替えてパンツは赤)>第三形態:上あつかし下天狼傳どちらも上衣は黒なので違和感なし→訂正を追記します)
このチェンジの順序はよく考えられてますね!そして加州サン着替えすぎだろ。どっちもかっこいいよー!ちなみに耳飾りは天狼傳です。

 

--------2020/04/29追記---------

加州のトップスが新作だった
あつかしは黒地・ハイネック、ノースリーブ・胸に紋・裾に赤いスパンコールブレード
天狼傳は黒ラメ地・タンクトップ(緩め)・肩から裾にかけて編み上げデザイン(背中はV字あき深めに横一本ベルト)
2016は黒地・ハイネック、ノースリーブ・胸に紋・裾に赤いスパンコールブレード肩から裾にかけて編み上げデザインの紐は艶赤バックスタイルはU字カットあき(こっちにも編み上げついてる?紐は黒)
という完全にあつかしと天狼傳のMIXでした!

これのためだけに作ったー!!!なんなの、布と時間が余ったらやってみたよってんじゃないでしょ。

「どっちかなんて決められないよ。俺はどっちも選ぶ」っていう加州のその言葉の結果がこれでしょ?アーーーーーッ、尊い。拝む。拝むしかねえ。

第二形態でハイネックと紋と裾のスパンコールがチラ見えしていたのであつかしだと思い込んでた……(誤情報をすみません)
あとね、加州のマイクケースが赤いリボンの編み上げで装飾されてました。細けぇ!素敵〜。

どこまでもこれでもかと追撃してくるお衣装さん、ありがとう。

--------追記ここまで---------

 

気づいたところまとめ
加州くん、ネイルチェンジ
衣装チェンジ約5分の間にネイル変えるとか頭大丈夫?最高!
二本くらいネイルかわってるのがソロ曲でわかりやすいので注目です。
戦装束では戻ってるのでシールだとしてもカメラで抜かれなきゃわからない細部……そのこだわりのガチヤバ感が好き!
あつかし・天狼傳ともにネイルチェンジはしていますが、本数と位置が微妙に違いました(多分デザインも)

あつかしの靴がバージョンアップしてる
初回ということもあってかあつかしはレッスンシューズを改造したみたいなのだったけど、らぶフェスではちょっとかっこいいロングブーツになってます。ソールはヒールなし。加州もまだヒールじゃないです。

 

衣装チェンジの時間を軽く計ってみましたが、小狐丸が最後にはけてから三日月(ソロ)の登場まで約5分。+2分足らずでチームあつかしスタンバイ(加州含む)、1分後には全員集合。(dアニの時間表示参考)
二部衣装は3枚重ね、髪飾りやアクセもチェンジ、加州はさらにネイル貼ってます(場合により靴も)
初回の真剣乱舞祭からこれやってるんですよ。衣裳進行さんヘアメイク進行さんすごいな。時間を理由に仕上がりに手を抜かないプロ根性。
一生刀ミュくんについていくわ!!!

 

そして最後にこれだけは大声で言いたい。
第一形態、和泉守兼定の後ろ姿が超絶かっこいい!!!心臓止まる。ねえ、なんで兼さんだけマントにあの模様入ってるの?そんでこんなにかっこいいのにお写真ないのおかしくない?ねえ!出してよ、あるでしょう?写真。写真集出して?ランフォトばりにデータあるだろぉぉぉ!すみません取り乱しました

天狼傳の記事で兼さんの後ろ姿が見えない、と書きましたがらぶフェスがありました!是非ともアーカイブ配信かdアニか円盤を買ってみてください。
いやほんと、マジで何これって叫んだ格好良さです。

マントに兼さんだけ模様入りなんですが、これは例えば全員に紋とか入ってたら相当うるさいしあの濃紺のマントの格好良さが8割減ですね。
マントは飾り紐とか各キャラほんの少しずつ異なってるので、背面模様もその一つということでしょう。それにしてもこの第一形態最高です。(詳しくは天狼傳の記事でどうぞ)

 

取り急ぎ、DMM刀ミュ作品一挙無料配信に合わせて書きました。是非、お衣装にも目を向けてみてくださいね。きっとそんな余裕ないでしょうからこれを機に視聴できるアイテムを手に入れてください。らぶフェスは個人的に再生回数が多い作品です。一度にたくさんのかっこいい刀剣男士を堪能できるのでオススメです。

 

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幕末天狼傳(初演)二部衣装

 

 

幕末天狼傳二部衣装

前書き
衝撃的すぎてどう書いていいかわからなかった天狼傳。私は後追い組です。本公演の初見は「つはもの」です。当然この天狼傳も映像でしか知りません。当時はこのブログを書くほどに衣装に取り憑かれる(誤字ではない)とも思っていませんでした。むしろここから始まったような気もします。あおさくまでを見てしまった今、当時の気持ちはおぼろげですので今見て思うことと当時の感情が混ざりつつになると思います。いつもに増して荒ぶった内容になると思いますが、お暇な方はどうぞお付き合いください。

 

 

幕末天狼傳、刀ミュ二作目です。二作目ですよ!
二部衣装デザイナーさんの経歴は装苑(2018.9)くらいしか情報源がありません。企業デザイナーの傍でビジュアル系バンドの衣裳を手がけていたとのことですが、どの程度かは不明。「服作れるの?じゃあ衣裳作ってよー(友達価格で)」ってのはまあよくある話なので、ちょっとわかりません。本格的な、主催者の意気込みと情熱とお金のかかった衣装作製は刀ミュが初めてなのではないかと予想しています。で、二作目でこれ。

  

 

羽根つき帽子にマントって控えめに言って最高
刀剣乱舞でしょ?日本刀の付喪神だよね?羽根つき帽子で騎士みたいなの着せたのなんで?????意味わからなくて最高。
「さっきまでの第一部?知ったこっちゃねーな。二部はライブぶちかますぜ、ついてこいやオラー!!!!」という新撰組刀の雄叫びが聞こえてきそうです。
書き忘れてましたが、天狼傳は好きキャラしかいないので悪しからず。

さてこの羽根つき帽子とマント付きジャケット。騎士じゃん。かっこいい。それ以外の言葉いらなくない?登場した瞬間ギャァァァァァ!!!ってなる。毎回なる。
色の選択、完璧。
振り切れた大ぶりの装飾、完璧。
蜂須賀様だけちょっと違うの、最高。
各々デザインディテールはちょこっとずつ変化させているところはありますが、概ね「お揃いのジャケットと帽子」の中、蜂須賀様?!そうだよね、team新撰組with蜂須賀虎徹だもんね!

裾フレアのドレープ(ひだ)が美しいジャケット。マントには惜しげなく金色のフリンジと装飾テープ。そしてマントの裏地はゴールド新撰組刀は全員地味に裏地紺)。
蜂須賀様だけめっちゃ豪華。そりゃそうですよね、蜂須賀家の家宝、真作、蜂須賀虎徹だもんな!
仲良しヤンチャ坊主チームに投げ込まれた坊っちゃま、いつの間にか馴染んだね…という感じ。
衣装関係ないんですが、登場から蜂須賀がニッコニコで楽しそうなのでみんな仲良し感がして、それも合わさってこの『お揃いだけど蜂須賀だけ特別に違う衣装』好きです。

開始数秒で投げる捨てる仮面

 

 

さらっと流したデザインについて
色の配分
帽子とマント(表)が紺色。マントの面積とジャケットの色面積のバランスがとても良いです。色分けによりキャラ立ちしてますね。
長曽祢さんにこの色持ってきたの大正解。戦装束の色でもイメージカラーでもないグレー。(兼さんのパンツと同じかな?)

 

形と装飾
ジャケットのシルエットは新撰組刀はほぼ同じでスッキリですが、丈が微妙に違う。
堀川は身長が低めなので(脇差ですから)やや短め。
加州はパンツの装飾とぶつからない長さの結果(パンツの飾りを隠してしまうか出してしまうかというところ)。
和泉守兼定はこのジャケットに関してはいいバランス丈。(その他は後述)
大和守安定と加州清光はねえフロントデザインお揃いなんだよ。沖田組かぁぁぁー。好き。ありがとう。

そしてマントがすごいんですよ。静止状態でマントの端が綺麗に波打つ形になるのわかります?ちょっと映像確認してください。この綺麗なドレープが紺地に金色の装飾テープでさらに映えて本当に美しいんです。
モップ並みのボリュームの肩飾り、マントの留め具を模した紋のでっかいブローチ。そして羽根つき帽子。装飾を控えないところが素晴らしい。ここはがっつりいっちゃってくださいありがとう。
全体として、騎士の刀剣男士アリアリのアリだな!!という仕上がりですね。
はー…好き。
(これだけで千文字overです。好き具合が伝わったでしょうか。あとはサクッとまとめるように頑張ります)

 

 

第二形態

さっきまでの騎士さまは何処へ……?一転してパンクロックテイスト
ライダースジャケットにスタッズ(鋲)をこれでもかとつけて、加州はボンテージパンツ風ですよ!(ボンテージパンツ=脚のところにベルトがついてるやつ)
衣装チェンジによる驚きの提供の仕方、すごいな。誰もあの騎士がパンクロックに変身するとか予想できないだろ……
改めて見てもスタッズ多くね?それでも『暴力的・荒い・攻撃的』になっていない。ファッションとしてのテイストの取り入れ方が上手です。

動きに合わせた工夫
動きやすさのために背中の真ん中にアクションプリーツが入っています
(アクションプリーツとは、作業着なんかの背中の脇よりに二本入っていることが多いあれです。人が動作するときに一番伸びるのが背中(肩甲骨〜腰)と言われています。普段の生活でタイトな服だと突っ張るなーと感じることがあるかと思います)
装苑のインタビューで『背は一枚仕立てにしている(縫い目を入れない)』とおっしゃっていますが、この天狼傳でのかなりの試行錯誤の結果かもしれません。

兼さんについて
後ろ姿が何度見ても確認できないのですが、背面プリントであの柄(戦装束の胸にあるやつ)がドカンとありますので、アクションプリーツ入っていないのかな?一振りだけジャケットがぶかっとして見えます。腕が動かせないのは致命的なのでそのゆとり分量を脇下でとっている→身幅が緩くぶかぶかに見えるんですね。
もともと細身で長身+迷子になった動きのためのゆとり分量=なんとなく収まりが悪い。になってしまって勿体無いなあという印象です。
せっかくの手足の長さを活かしきれてない。
ジャケット丈、ブーツ丈のバランスもなんかもうちょっとあるよね…何だろう?
最大の「何でこれにした」はインナー(第三形態)の後ろ裾が燕尾。ジャケットの下から変に裾だけのぞいてるし、あまり効果的とは思えません。
ごめんね、兼さんめちゃくちゃかっこいいから期待しちゃうの。(むすはじはその点バランスが最高で完璧だった!!!!!)

蜂須賀
はっちーどうしたの?一振りだけなんかすごいプリンス感バリバリなんだけど。なんだけど、周りの新撰組刀から浮かない不思議。なんで??
金色の織り柄生地にフリルブラウス重ね風。ウエストを軽く絞った燕尾の形。
パンツの脇に編み上げリボンの装飾!(下から編み上げて上についたリボン結びが第三形態でお披露目されるというおまけ付き)
他は黒のブーツに対して蜂須賀は白の編み上げロングブーツ。しかも金色の紐。さらにサテンの白手袋。
この徹底的な差の付け方とそれでも調和がとれるところがすごい
馴染んではいないですよ、だって一振りだけこんなに違うんだもん。でも変に浮いて目障りだったり気をとられたりしない。
ジャケットの裏地が薄紫なのも素敵なので見てね。

他キャラ(一言ずつ)
堀川:紺色と白の配分最高。ジャケット丈長いのもいい。パンツのサイドラインにセンタープレスステッチの爽やかさ。ジャケットを安易に兼さんとお揃い(フロントジップ)にしてないところ。好きだー。
安定:片袖どっかいった。そういうところが安定っぽくてイイヨ!
清光:かっこいい。清光って何着てもキマるからずるい。
長曽祢さん:ゆるパンツと半端丈ブーツがgood。袖付け周りのベルトとか、戦装束のディテールの取り込み方が自然すぎてしばらく気づきませんでした。
(ごめんね、語り始めるとここで二千文字消費するから圧縮したよ)

 

 

第三形態
言葉が見つからないので各自堪能してくれ……(思考を放棄した)

大事なことを書いておきます他はみんなかなりのヘソ見せしてるのに、蜂須賀だけはゴージャスな裾飾りでヘソチラしない!ガン見してると一瞬見えるところはあります)
長曽祢さんは右脇を絞って引き上げているデザインから脇腹チラしてるヨ。

清光の左肩から裾にかけて編み上げデザインですが、裏打ち布があるので素肌が見えない
ここはチラリズムとかいらないから大正解(むしろ下品になってしまう)で、裾だけは引きを緩くして隙間を開け(裏打ち布をなくして)素肌をチラ見せしてる
この細やかさが全てを物語っている。拝むしかない。

 

二作目にして、大胆な思い切りの良さと細やかな気配り、個々と全体の調和がすでにしっかりとあります。
そして、固定概念にとらわれない自由さ
デザイナーさんはやっぱり天才だな!!
ここではまあ初期だもんねえというところが後の作品ではきっちりと改良されてきている工夫と努力!
ありがとうありがとう。刀ミュの二部デザイナー引き受けてくれてありがとう。美味しいもの食べさせてもらってちゃんと休んでこれからも続けてください!お願いします!!!

 

てんろーでん大好きー!

 

ダンサーさんメモ
ナポレオンジャケット(軍服と宮廷服の間みたいな、形は軍服・装飾多目。ボタンが二列に並んでいるのが特徴)丈はヒップライン。少し長め。
かっちりきれいめはこの後の作品でも続いている。
『邪魔にならず引き立て単体でもかっこいい』
これ(ダンサーさん)も農本さんデザインなの?他にいないもんね???

 

 

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葵咲本紀の二部衣装と江の戦装束について

本公演はどうしても長くなってしまうごめんなさい。要点だけなら太文字でオッケーです。これでも端折って短くした(つもり)。なんかテンションおかしいのはすまない。

 

色の抽出

今回一番スゲェってなったのは、実は『』。
【戦装束にある色でデザインする】っていう前提があって(装苑でのインタビューより)、それであれってすごない?


明石と村正は黒被りで、緑被りのこてくんと御手杵(しかも先に緑メンバー石切丸がいる)。
鶴丸なんて白と黒とグレーに金色だけ。試しにデザイン考えてみてって言われても詰むじゃん。無彩色は色じゃねえ
御手杵も明石も色数という点では少ないけど色味がない鶴丸はマジで?!ってなる。

 

こてくんはイメージカラーの方のグリーンをチョイスしてアクセントにオレンジ。
御手杵は戦装束のグリーンに差し色は紫。
蜻蛉さんは紫。差し色に赤紫!
問題の鶴丸はなんと赤を差し色に持ってきた。鶴丸のセリフからの赤。無彩色に金と赤を入れることで一気に華やかになる。(しかもその分量と使いどころが絶妙)
明石は黒+紺色に白と赤を差し色でシックに。衿に大胆に白と黒を使うことでクールな印象。柄布も地味な色合い。だけど全体は全然地味じゃないし明石感ばりばりに出てる。
村正はいつもの黒とホットピンク。
色の抽出がうまい!

色に関してはカラーチャートを各キャラで作ってるのではないかと思っている。
このキャラに使う色はこれ、っていうやつ。公演ごとにキャラのイメージのぶれがない理由の一つ。
(他にはデザイナさん自身でキャラに対するイメージをかなり固めて--時にはすごく調べたりして--いるのではないかな)

 

柄の使い方
柄と色無地を合わせる時の上手くいくポイントとして『柄の中に合わせるほうの色が入っていること』(これは普段の着こなしでも使えるので是非)


一振りずつ解説(読み飛ばしてOK)
蜻蛉切:差し色とした赤紫をベースとした柄生地。落ち着いた色合いと模様でどっしりとしたイメージ。
村正:柄生地の面積が多い。黒地に花が咲き乱れ蝶が舞う華やかさがありながらも、全体の色調が「黒地と白っぽい花」でまとまっていることで妖艶だけど下品ではない。白い腰紐と合わせて全体がメリハリのあるデザイン。
明石:シックな色合い。柄の中の渋い色、銅色を他の装飾と合わせている。柄生地の面積が少ない。
篭手切くん:この生地よく探したな?!っていうか、こてくんカラーグリーンと深い緑をれぞれを上手く組み合わせている。二種類の柄布。袖は深い緑〜爽やかな水色に大きな柄。この緑と対称的にもう半身に深い緑のジャケット。それだけでも十分かなと思いきや裾の切り替えと衿に別の柄布。こちらはこてくんカラーと喧嘩しない&もう片方の大柄に対して小柄をチョイス。
御手杵半身頃全部柄。しかも色関係ない。図録確認したよね。インナーの柄と武具から抽出した色味派手なのに落ち着いてて日本語が不自由。御手杵ってなんか地味なイメージですが(失礼)、並んだ時に負けない存在感がある。この大胆な柄使い。
鶴丸:黒地に金と白の刺繍の布ね、はいはい。で終わるわけないじゃん知ってた!この半分ジャケットの柄なに?!鶴だよ!これがいい具合の色合いでそして赤が入ってます。ここにしか赤ないんです。この柄ジャケットだけでブワッと華やかになる。赤はポイントだよってことで片耳イヤリングもうまい。(みんな死んだよね、片耳イヤリング)

 

 とにかく柄生地の選び方と使いどころが今回もすごく上手でした。舞台映えする、下品にならない、調和のとれたものすごいバランスでした。
反物かな?という生地と通常の布地の部分があって、その辺りを全く違和感がなく合わせている。


和と洋のミックス
もう一つのすごい点は和と洋のミックス。
なんで?なんでこれできた?まじかよ!やべえな!頭おかしい天才!!!ってなった。劇場で叫ばなかった自分を褒めたい。

 

和裁と洋裁についての個人的な見方による解説(面倒な人は読み飛ばしてね)
和裁(着物)は反物に最低限のハサミしか入れないで、解くと反物に戻せるくらいに切り捨てることをしない。
直線をそのまま縫い合わせて、できあった着物はたたむとぺったんこになる。
反物は基本的には幅と長さが決まっていて(現代は需要に合わせて色々あります)、サイズは丈くらいしかないので着付けの時に余った分は脇に寄せて前後正面が綺麗に見えるように整える。
長身で反物の長さが足りない人は二反使って仕立てたらしいよ。(兼さんの軽装の左右の色違いはそれなんじゃないかって言われているね)

洋裁(洋服)はカーブで切って縫い合わせて立体にする。着る前から体の形になっている。


立体の洋服と平面の和服を左右で縫い合わせようって考えが常人じゃない。

全振りの共通点として右側が洋服の作り、左側が和服の作りです。衿や袖つけを見るとわかりやすい。

そもそもパターン的な考え方からいくと全然形の違うものを組み合わせるの?は?ってなるし、
デザイン面から考えて、それぞれ既に完成されたスタイルを無理やりくっつけて全体の調和が取れるわけがない!
が、すっごく綺麗で何の違和感もなくしっくりわーかっこいいー!!ってなったよね。
デザイナーさん天才だな!!(二回目)

みほとせ再演の青江はこれの布石だったのか?!と思いました。

 

左右半分ずつで和と洋なんですが、和(平面)である方でも洋裁のダーツを取り入れてあったりするんです。
鶴丸と村正のお衣装でいうと、右側は和作りだけどウエストをすっきりするためにダーツを入れてあります。で、その下のベルトからの裾の短いところはフリルを寄せてひらひらっとさせてある。

分けない、ただくっつけただけじゃない、融合


全体的に上半身はすっきりと仕上げて、裾にひらみを出してます。

上半身の身頃をすっきりさせることで着物袖の存在感がUPする。そして体の動きに合わせて袖と裾がなびく
鶴丸と篭手切くんにはそのひらみにも工夫があって、裾部分のボリュームを出さないシルエットを保ちつつ動いた時にヒラリフワリとするために後ろ中心にインナープリーツ(内側に向かったタック)がひっそりと入ってます。
プレス(折り目つけ)をしていないので動いた時にふわふわします。薄い軽い生地だからこそできることです(そして、そういう生地だからこそギャザーやフレアにしてしまうとシルエットが広がってしまうのを避けたくてこの手法なんだと予想)

御手杵は後ろにタックプリーツが入っていてすっきりしているけど動くと布の分量があるので広がる。

 

なんかもう匠の技みたいになってない?人間国宝にしよ?

鶴丸とこてくんの、ジャケット風のを片側だけっていうのも斬新でした。度肝抜かれた、かっこよかった!!

 

 

書きたいことはすごくいっぱいあるんだけど、とっ散らかるからこの辺で。
最後に、靴のチョイス最高!!!百億点
村正の編み上げ紐パッションピンクなの最高。こてくんがブラウンとかさー…物吉くんもブーツ黒じゃなかったな。蜻蛉さんは今までワイドパンツにショートブーツが今回はジョッパーズにロングブーツでメリハリつけてきた。鶴丸は編み上げブーツでもよかったなと一瞬思ったけど、それだと腿の金色の飾り紐が映えないんだよね。


 鶴丸のパンツの紐は何で飾り結びじゃないの?ってのを見かけたので、あれは上衣のベルトに飾り結びがついてるからだと思う。両方飾りだとうるさくなる。

がっつり和と見せかけてパンツは普通に洋だし、最終形態もかっこよかった。
あとね、今回はインナーの衿が着物の重ね衿みたいに見えるようになってて面白かった。(こてくんの重ねた色が白とかだったらきっとイマイチだったと思うのであの色の選択とか本当に素晴らしいですね)
クッソ凝った装飾たくさんしてあるからじっくり眺める楽しみ方もできると思います。

 


江ファミリーの戦装束について
書き忘れるところだったあっぶねえ。歌合も終わって謎が解けた(気がする)のでここで書いておきます。
篭手切くんの戦装束がキャラデザと色味が違うんですよ。キャラデザの緑はもう少しくすんだ色でジャケットの縁取りはアイボリー。防具の紐もアイボリーです。
衣装は真緑で縁取りは真っ白
あおさくだけの時は、他の緑被りと差別化???と不思議だったのですが、歌合で桑名くんと松井くんを見て納得。
桑名くんのパーカー白じゃん!松井くんのドレスシャツ白じゃん!豊前くん図録見たらシャツ白じゃん。
インナーの色が白でジャケットの縁取りがアイボリーなのはキャラデザがそうなんだからそのままでもいいと思うよね、思いました。なんで変えた?

 

簡単にいうと使う色数を減らしたかった

色数が多いとガチャガチャした印象になってしまう。
ジャケットの緑をキャラデザのくすんだ色ではなく真緑にしたのは他の色とのバランスからかなと思います。差し色が桑名くん真っ黄色、松井くん南国の海みたいなブルー。彩度を寄せたというか……
篭手切くんと豊前くんは図録から、桑名くんと松井くんは刀帳で確認しました。
絵師さんが違うからかこてくんと豊前くんのジャケットの色も微妙に違ったけど、2.5になって舞台上に上がるときは同じ色を纏うのだと思うのでそのあたりの調整も衣裳デザインの仕事なんですね。
はー、すげえなあ。江は揃うと良さが増しますね。

 

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すごくどうでもいいことですが、こんな大予想大会を繰り広げていて、実は全部違ってたりしたら笑えるな〜。それでもいいから二部衣装の写真集図録出して欲しい!

 

歌合

葵咲本紀もまだ書いてないけど記憶が新しいうちに歌合の感想です。
現段階で配信を見れていませんので(ディレイ待ち)、会場で見て感じたこととキャストさんのTwitter写真などからの萌語りです。いつも萌語りですね。はい。
最初にざっとした感想、後半に細かい解説?考察?です。後半はお暇な方はどうぞ。
今回は蜂須賀様の魅力にやられっぱなしでほとんど彼を見ていて終わったと言っても過言ではないので、いつもに増して内容に偏りがあります。
みんな好きなんですよ!でも目が足りないでしょう?あと20公演くらい見たかったですね。

 

白衣装
『神様感』と『とうらぶっぽさ』はどこから来るのか

冒頭から度肝を抜かれた神様な白衣装ですが、どこかで見たような気がするけどどこでも見たことがないお衣装です。「わあ神様だわ」ってなった。
狩衣テイストは刀剣乱舞っぽさがある。でも、下衣がストンとした形だと狩衣のイメージが強くなってしまって三日月とかの平安衣装になってしまう。それはちょっと違う。
ギャザーたっぷりのスカートはギリシャ神話の神様や邪馬台国卑弥呼みたいな”太古の神様””布を纏うだけの古代”を彷彿とさせる。
このミックスが刀剣の付喪神っていうのにとても相応しいデザインだなぁと感心した。
優美で厳かさを醸し出す全体の調和が素晴らしい
男士にあのギャザーたっぷりなのは普通出てこないですよ。(ギャザーたっぷりのスカートは後に解説)
女性らしいデザインを【刀剣男士】に着せるっていう、レディース・メンズのディテールの分類をまったく気にせずに組み合わせる発想。これが案外でてこないんですよ。取り入れてるだけなので仕上がりは【かっこいい刀剣男士】なんですよね。デザイナーさんすごいな!

 

衣装の構造
あのスカート部分の構造がなぞだったんですよ。
・細かいギャザーがたっぷりきれいに出ていてなおかつ動くとふわりとする→軽やかさの謎
・下に次の衣装着てるけどその影響が出ていない→シルエットに響かないだけのしっかりした作り
この両立がどういうこと???だったんですが、ガン見した結果予想がたちまして、そして大楽後のゲネ写真で確信しました。

両立ができないのでは?と思った理由は、
細かいギャザーがたっぷりでる生地は柔らかく軽い布地。回転するとふわっと広がってきれいです。しかし、その軽い布地であのボリュームを出すには大量に布を使わないと出ません。大量に使うと布自体の重さでせっかくの軽さが死ぬ。
構造は二枚重ねでした。
デザイン的な『ギャザーたっぷりだけどシルエットはストンと落ちて、動くとふわっとする』
必要条件的な『下に着込んたものがわからない』『ポーズや動きを妨げない』(後者はポージングするシーンで足を開いたりがあったので)
この二つをスカート部分を二枚重ねにすることでクリアしてました。わかればなんてことないですが、完成イメージから導き出すのはなかなか難しいものです。さらにいうと、「秘密を暴いてやろう」という視点で見ているのにわからなかったところに、上手に作ったなあと感心しました。配信でアップで見たらわかるのかな?前寄りの席で双眼鏡使って見たんですけどねえ…蜂須賀に目を奪われたりなんなりして(言い訳)
土台となるスカートはフレアスカートで、その上にギャザーを寄せた布を前中心部分を明けて重ねてます。前中心には色布です。
一周全部重ねていないのは、土台スカートとギャザー布の広がり方の違いと予想。
ギャザー布は切れ目がある方がなびき方がきれいにふわっとするし、しゃがんだ時にストンと落ちることでギャザーの流れがきれいに見える。

 


顕現のシーンの写真ですが、しゃがんでいる刀剣男士に注目してください。篭手くんと物吉くんがわかりやすいです。
これが一周ある普通のスカートの形だと前側に引っ張られてギャザー(ドレープ)の流れが変わります。

そして、上衣は着物の作りに見せつつ、狩衣デザインのベストっぽいものと薄い生地を使った着物袖の組み合わせにより袖の透け感を出しつつボディの透けはカバーしてるんじゃないかな?という合理さも感じます。
この白衣装は前回の祭り衣装と同じで、厳密なフィット感を必要とせずに製作できるのでパターン起こしやフィッティングに割く労力を他に全振りできる無駄のない作りでもありますね。
最高。あのひらみ最高。お袖がなびくのも最高。


軽装
まさかの!ありがとう!!!思い立って大阪出陣したので誰よりも早く蜂須賀の軽装も見たよ!(同時に見た人はたくさんだけど)ここは荒ぶります。
軽装の何がすばらしかというとその着こなしの差す。
青江は身頃にちょっとシワが寄ってて帯も成人男性に比べると少し上です。そうだ青江は脇差だったわ!!っていう、華奢さと少しの幼さを残してます。
対して蜂須賀と兼さんは【和服を着こなせる男性】スタイルなんですが、キャストさんは細いので補正とかしてるかな?(【和服を着こなせる男性】の体型って腹回りがしっかりしてる寸胴なので)
蜂須賀様、ねえ見た?見て!!
衿(衣紋)の抜きが多いんです。うなじが見える、女性が浴衣を着る時に衿の後ろを下げるやつです。それによって漂う姫感。素足は男の足、仕草は優雅。性別とかどうでもいいよね神様だもんね。ありがとうはっちー。
兼さんは、ミュの兼さんってちょっとべらんめえっぽいところがあったりして、まあ脚は開くし(見えてはいけないものが見えるんじゃないかとハラハラした。下にちゃんと見せてもいいやつ履いてた)、ちょっとガサツにも見える動作します。
が、着崩れないんですよ!!!
最後にすっと脚を閉じて立つとかっこいい。あんなに暴れたら乱れるでしょ?なんで?キメ顔のかっこいい兼さんを印象付けて去っていく。ありがとう。
ただ着せただけじゃない、キャラクターに合わせた着せ方をしてくれるお衣裳さん大好き。
それと、イラストではわからなかった帯の結び方も青江は浪人結びで兼さんと蜂須賀は貝の口でした。(これ、違ってたらそっと教えてください。というか、和装は明るくないのでなんか違うこととかあったら教えていただけると嬉しいです)

 

お衣裳さんが素晴らしい話
ヘアメイクさんも素晴らしいんですが、衣装ブログなのでお衣裳さんの話をします。
蜂須賀役のキャストさんのツイッターで二部衣裳の写真があります。

 


白ブーツきれいすぎない?!という驚き。
白ブーツ(しかもソールが黒)ってステージ上での短時間でもかなり汚れるんですよ。このキャストさんは写真加工でブーツの汚れ消したりするタイプではないと思っているので、多分これが本物そのままですね。
このTwitterが北海道公演なので新調したとしてもここまでの間にかなり履いてます。ということは
毎回めちゃくちゃ手入れしてるよね!
思い返せば、今回の天狼傳衣装は合皮じゃん?あれは化粧品とか着くと劣化めちゃ早いじゃん。今剣ちゃんの阿津賀志衣装ピカピカにきれいじゃん。作り直したのかな?って思ったけどどうなの(正解は中の人しか知らない)。
どんなに気をつけて着替えても本番中に衣装チェンジがある限りはメイクが付いてしまうし、汗だってかきますよ。(見てても汗だくなのわかりますよね)
替えが2,3着あったとしても毎公演ごとに汚れやシワを落として手入れをして、完璧な状態に整えてくださってるんですね。だから毎回刀剣男士あんなに完璧にかっこいいんだ〜。
お衣裳さん、ありがとう。
軽装もピシーッとシワひとつないですからね。
パンフレットのスタッフのところに衣装進行やヘアメイク進行まで載ってます。もう本当に感謝しかないし、美味しいものたくさん食べさせてもらってほしい。なんならグルメカード贈りたいです。


ライブ衣裳(二部衣装)のあれこれ
今回の二部衣装のチョイス最高でした!衣裳決めた人ありがとう!!!!
今まではそれぞれ最新作の二部衣装の着用です。曲のメンバーによっては合わせてお着替えもありましたが(石切丸が二種類着たり、小狐丸がソロ曲に合わせてチェンジした)、基本は最新作を着てました。
今回は石切丸はみほとせ初演、小狐丸はつはもの、今剣ちゃんは阿津賀志、安定と長曽祢さんは天狼傳
出てきた瞬間、神様に感謝したよね。(それと同時にどっかで衣装チェンジしてくるのかまさかの会場がわりなのかビクビクもしました)
好みの問題なのですが、私は阿津賀志巴里はこれだけデザイナさんが異なることもあって2018で刀剣男士がずらっと並んだ時に巴里メンツだけなんか浮いて見えたところが残念に感じました。
そんなこともあり歌合の上記メンバーの衣装チョイス、俺得でした。
石切丸はみほとせ初演大好きだし、天狼傳はもう2度と見れないと思ってたし(でもはっちーは新衣装のままだったの嬉しい。あれ好き)、今剣ちゃんはつはものも好きなんですが阿津賀志の中では完成度が高いうちの一振り。小狐丸のつはものはずっとチラ見えしてるおへそ。
ちなみにブロマイドはそれぞれ最新作を着用しているので、撮影時点ではそっちを着る予定だったんでしょうかね。変えよ、って言い出した人ありがとうありがとう。
ディレイで確認しますが、今剣ちゃんは多分ブーツは新しくスタイリッシュになってたと思います。


戦装束で改めて感じたこと
あのね、明石国行のシルエットが完璧なんですよ。ヒップラインがすっごくきれいなのはパンツのラインとジャケット丈。ジャケットのシェイプ具合とか神業ですよ。
立ち絵の上着、ひら〜っとしててわからないじゃないですか。あの絵でいくと多分もうちょっと丈が長くなるようなところをあの丈にしているからこそ明石のスタイルの良さが引き立つ。
感心して明石のヒップラインガン見したところで、ふと堀川に目が行ったんです。
堀川のパンツ(スラックスという言葉の方がしっくりくる)って、ダサいやつですよ。中途半端なゆとり感は学校の制服を彷彿とさせますね。
それが堀川は全然ダサくない。これもパンツのライン(シルエット)がきれいなんですよ。ジャケットのウエストも少し絞ってて、決してタイトではなくゆとりを残しつつきれいなシルエットにしているところが『堀川の優等生っぽさ』をかもしてる。
篭手切くんとかもうわーっと思ったんですが、これはあおさくで書くべきですね、はい。
忘れなかったらかきます。
相変わらず小原さん(戦装束のデザイナさん)は素晴らしい仕事しますね。
超絶かっこいい明石をありがとう!!!

 

最後に好きな話をしよう
蜻蛉切鶴丸(あおさく衣装)の曲のバックダンサーがみほとせ再演の第二形態で揃ってたの超絶かっこよかった!!見て!そこ見て!あおさくで揃えないでそっちもってくるの天才。はー…刀ミュくんありがとう。衣装決めた人ありがとう。

みほとせ再演の第二形態のブラックのスーツにゴールドのネクタイでした。しかもハット付き。

バックダンサーに「和」を着せないことで刀剣男士二振りのあおさく和テイストが映えていました

バックダンサーさんの衣装は過去作からなんですが、全作を上手に組み合わせてました。天狼傳とむすはじは少し似ているし、巴里は第一形態はアスコットタイでロングジャケットなのに脱ぐとブラウンのショートジャケットなんですよ。

どのタイミングでどの組み合わせでどの形態の衣装を着せるか、そこまで見始めるとほんとうに奥が深くつくづく考えられたステージだと感心しきりです。

歌合、楽しかった。

 

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余談:イラストを立体化するということについて
今回の歌合にはあまり関係ないのですが(キャラデザからの新衣装がほとんどないので)、改めて戦装束と図録を見比べてぼんやりと考えました。
イラストは魅力的に表現するために誇張したり省いたりしますね。それがイラスト表現の良さです。
では、そのイラスト(キャラデザ)から衣装を作るときにどこまでを忠実に再現するのが正解なのか。
物理的に不可能なものもあります(蜂須賀極の羽衣とか)。
もう一つ、イラストを描く人は服の構造を考えて描いたりしませんよね。それはイラストとスタイル画の違いで、知ってて省くこともあるだろうし「らしく」見えることが大事だと思うので知らなくてもいいことだと思っています。
魅せる絵のためには実際だとそうはならない状態もあるでしょう。
それまで忠実に再現したら出来上がった衣装としては破綻したものになることもあります。
「イラストには線がないから縫い目を入れない」は無理です。
サイズバランスをそのまま立体の服に持ってくるととんでもないバランスのものが出来上がったりします。
イラストでの表現とそれを立体にするときに誇張するところと削ぎ落とすところ、【らしくみえる】ために変えるところが必要でその加減が衣裳デザインの仕事なのかなぁと。
房の大きさ、紋の位置、一つ一つが全体の仕上がりに大きく関わってくる。

周囲の2.5を見る人やコス自作の人にちょっと意見を聞いてみました。
『原作(絵)に忠実な方がいい』という答えでした。
でも実際見比べると意外に調整されているんです。そんな風に【気づかせない技術】ってすごい。今回触れた明石国行の戦装束もそうですが、単純に見えたままを再現するのではなく『よりキャラらしくキャラの良さを引き立たせる立体化』。すごいなあ。

むすはじ二部衣装

今回は思ったままを書きます。いつもじゃんっていうのはまあ置いといてください。

大まかな感想の後に細かい解説を続けるので、長文オッケーな方は最後までお付き合いください。

シルバーのコートにびっくりしてなんかぽかんとしたまま刀剣男士に見とれてたら終わるというのを十何回か繰り返して、やっと衣装をきちんと見ることができました。かっこよすぎるんですよ!あとですね、めちゃくちゃ好きなキャラがいっぱいいるからたまに文章おかしいけど気にしないでください。

 

今までにない二部衣装だった!

二部衣装のメインって第二形態だと思うんですよ。時間も一番長いし。

今回は戦装束になぞらえたお衣装でした。これ、初めてじゃないですかね。

今までは全体のテーマのようなものがあって、そこに各キャラの個性やモチーフを乗せてアレンジしたデザインという感じでしたが、今回は完全に戦装束からのデザインであって共通のテーマがない(強いて言えば『戦装束」がテーマ)。

まず配色がそのまんま。見れば見るほどに戦装束のモチーフが取り入れられています。でも陸奥守や和泉守は洋装になってるし巴さんはあれ(戦装束)からあれ(二部第二形態)にどうやったら変換できるのか……

戦装束からのデザインなのにすごく新鮮でかっこいい。あんなに見慣れた戦装束からだって最初は気づかなかったくらい(各キャラに見とれてたせいもあります)。

戦装束からの取捨選択とデザインへの取り入れ方がすばらしいんですよ。

堀川 戦)白シャツ+赤リボン→衣裳)白いシャツに赤い縁取り(衿周りと前立て)

大和守は段だら模様(三角の連なり)がジャケットの背中とシャツの衿に入っています。

陸奥守は戦装束より衣装は彩度を落として暗めのオレンジと紺色。これは全体とのバランスの意味もあるし、単純にこっちの方がジャケットとパンツになった時にかっこいい。プリントの模様は戦装束からですね。

兼さんは胸にある模様をそのままジャケットにがっつり入れて、羽織はキャラ色としてベルトとジャケットのアクセントに残しただけ。この取捨選択。

巴さんは何をどうしたらあのデザインが出来上がるのか全くわからないけど、あれはどう見ても巴さん。カフスのプリントは薙刀の鞘の模様ですね。(デザイン面での解説は後述)

長曽祢さんはパッと見そのまんまだなという印象だけど、羽織もなければ全然違う形だし上衣は戦装束は白だけど衣装は黒。なのにあのワイルド感はそのまま。

どういう思考回路をしたらこんなの出てくるの?デザイナさん天才だな!!!

お分かりかと思いますが、むすはじのお衣装はかなり好きです。褒めるところしかない。

全体ではファーを取り入れてあります(巴さんは腰のひらひらが羽根のように見える)。全振りの共通点はそれと少量の黒の合皮だけ、個性の殴り合い。なのに喧嘩になるわけでもなくどの組み合わせになってもかっこいい。

戦装束として見慣れている印象を引き継いでいるからというのはあるでしょうが、それを上手に残しつつ、全てが新しく構築し直されているお衣装でした。

 

各衣装の解説

第一形態(銀色のコート)

まあびっくりしたよね。初見は20世紀の近未来か!?って思いました。自分の目で見る前からこれがイマイチというのはかなり聞こえてきていたので初見は「ははあなるほど」と思っただけで終わりました。余談ですが、第一形態のコートの素材は各公演全部違います。どこまで挑戦し続けるのか、そもそもそんなの意識してないのかはわかりませんが。(記事を書いている現時点はみほとせ再演まで)

このコートも今までとは違って、個性が最小限です。アレンジがほとんどない。

コートの色も肩の布も飾りベルトも肩の覆いも全部同じで統一感がすごい

巴さんだけ肩の布が左なのはなぜでしょう?思い当たることがあったら教えてください

統一感の中にも個性がちらりとしているところがまたにくいです。

アレンジとしてコートの裏地がキャラの色(≠イメージカラー)+動くとチラ見えするパンツの色が効果的な差し色になっている=各キャラの印象

シルエットで差をつけて各キャラがかっこよく見える工夫がされています。

長曽祢さんと陸奥守は(体幹ががっしりしているので)無理にウエストを絞っていない・裾のボリューム少ない >>このふた振りはベルトを上の位置に持ってくることで視線をずらしている。

巴さん、ウエストをぎゅっと絞って裾部分はフレア+ロング丈で一人だけひらみすごい。さらにスリットが入っているので、ターンする動きで広がってさらに綺麗。

兼さんは巴さんに少し近いものの、丈は膝丈でフレアはまあまあ+後ろスリットでダンスの足さばきが三倍かっこよく見える。(巴さんと兼さんは下に追記)

堀川はきっちりウエストラインにベルトを持ってくることで正統派感(しかも兼さんとお揃い)

大和守はベルトを斜めにしてて遊び心がありつつスッキリきれい。

 

なんかこのコートイマイチだなあと思った方はぜひもう一度違う視点からも見てみてください。

肩布、この色でこの布なの大正解すぎてひれ伏す。(あのシックな、でも黒じゃないのを選ぶ感性にありがとう)

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みほとせ再演

みほとせ初演もまだ書いてないのに再演を先に書くよ!歌合の前に上げておきたいので突貫感満載ですが取り急ぎってことで。

私はみほとせ初演が最高によかった!大好き!です。多分そう感じた審神者さんも多かったのかなーと思います。この再演は観劇の凱旋までの間に(特にネタバレ回避もしていなかったので)「解釈違い」「前(初演)の方が良かった」と「かっこいい!!!」の両方が目に入ってきました。
なるほどわからん。まあとにかく自分の目で見てみよう、ってことで劇場へ。TDCのバルコニーだったので(しかも双眼鏡忘れた)まあ舞台が遠いしざくっとしか見えないし、処理が追いつかないままに「とりあえず派手だったな」という感想だけです。どうしても初演と比べてしまうのでその方向性というかテーマの違いに唖然。ライビュでまともに衣装を拝見して遠目ではわからなかったところが多くてその点はちょっと『舞台の衣装』としての残念さは感じました。ぶっちゃけると、物吉くんは遠くから見ると全然デザインわかんない配色なんですよ。ライビュで初めてこんなデザインしてたの?!ってなりました。同時に、舞台衣装の難しさをひしひしと感じました。キャパによって”一番遠いお客さん”って変わるじゃないですか。TDCの3バルなんて想定してないよねえ…
刀ミュは後追いなのでつはもの以前の作品は映像で見ています。そして3バルはこの回初めてだったのでもしかしたら他の作品も遠目に見たらわかりにくいところもたくさんあったのかもしれないけど、こればっかりは現地でないとわからないので今回この件に関して辛口になってしまったのはごめんなさい。
初演の物吉くんが大好きだったので肩透かし食った感もあり、一人しょんぼりした劇場観劇でした。
つまらない前置きはここまで、本題に入ります。

 

第一形態

「コート、色すごくね?」が一言目の感想。そして、幾何学模様がいままでにないのでちょっと驚き。で、気づいたんですが村正の模様って風ぐるまっぽくない?(正解はデザイナさんしか知りませんけど)
一番多くのイマイチという声を見かけたコートなんで、どうしてこれになったのか何度も見た結果、意外と良いんじゃないかこれ!!となりましたのでご報告です。

共通点
・衿もとはボリュームを出しつつ軽さのある衿できっちり閉じてます。第二形態を隠したかったんですね、わかります。この衿は昔ちょっと流行った、ギャザー寄せて立体感出す衿です。ふんわりしてるけど綿とか入ってません。

・裾の箔プリント。これが中華っぽいって言われた理由かな?推測としては昔の文化は大陸から入ってきているのでどの辺りを抜き取ってどの方向から見るかで中華っぽくも見えるのかもしれません。この模様はグッズのスカーフに似てると思いますがお持ちの方はどうですか?大倶利伽羅は龍が入っていたり、ぱっと見同じ図柄使ってるのかと思ったら違うみたいで静止画が欲しい。私は和柄だなあ〜と感じました。

それぞれ
シルエットで各キャラの違いが出ます。

倶利伽羅はほとんどフレアがなくすっきり。

物吉くんは膝丈にフレア多めでひらひら。

石切丸は長めの丈に控えめなフレアで優雅。

蜻蛉切はロング丈でフレアもそこそこあるのでどっしりとした印象。

ここまでは割とシンプル。大倶利伽羅はサイドの黒の合皮の切り替えとベルトがかっこいいシャープさを出してます。


青江、あおえーーー!!これびっくりなんですけど一振りだけ裾(スカート部分)にチュール重ねてるんですよ。なにこれ最高。コートの裾はフレア控えめで大人しいのにその上にチュール(透けてる布)をギャザー寄せて乗せることで一気に華やか。同色の紺色だから控えめなのに華やか。好き。


村正は冒頭に記述した通り幾何学模様の切替が風ぐるまっぽいなと思いました。そして彼だけ異質感あるな?と思ったんですがよく見たら他キャラとの共通点も多く、やはり正面のどかんとがっつりした切替に意識が全部持っていかれるから異なって見えるだけなんですね。

 

袖付け(肩周り)・袖下に金のライン、縁取りの金のブレードはお揃いです(物吉くんは銀ですね?白地に映えるからかな)
ボタンが三つなのも共通デザインですが、ダブルになってたりタブがついてたりとアレンジが効いています。
こういう細かいとこでお揃いなのに各キャラの味を出してくる!!見つけるたびに悶える。・・・好き。
ベルト周りもいちいち凝ってるから推しじゃないキャラもチェックしてみてください。

 

マントの色と裏地の色の合わせ方も素敵です。
蜻蛉切:表黒、裏地赤紫→正面の黒の切替と調和
村正:表裏共に黒→いつもなら裏地ピンクにしそうなところを黒にしたことで正面のがっつりした切替デザインが映える
石切丸:表共色、裏地光沢のあるグレー→ベルト(ベロア!)の色と合わせつつ、縁取りやラインに使った金色とも調和
青江:表共色、裏地黒→黒合皮の切替と調和(*ライティングの関係で黒に見えるけど違ったらごめんなさい)
他は裏表が身頃と同じで邪魔をしない色合いです。

 

ところで、まず目を引くのがその色だと思うんですが、蜻蛉切は他の色なかったのかな……なかったんだろうな。
そしてどうしても毎回色味が気になってしまう(もう職業病ですね)のですが、石切丸のそれはカーキだよね。真緑でそのコートでもびっくりするけど、でもカーキかぁ……
やっぱり同じ生地で色違いを揃えるのって難しいんでしょうかね。
倶利伽羅の赤はとっても良い色ですね。加州の真っ赤とは違う赤!


第二形態
これって、ショータイムなのかな?と思ったらパァァっと霧が晴れて素晴らしくしっくりと腑に落ちた!(日本語が不自由)
まず、村正と青江がトップスター(ダンサー)。大倶利伽羅はルーキー。物吉くんがボーイ。蜻蛉切がドアマン。そして石切丸がオーナー。妄想が過ぎる

ショータイムの衣装だと考えるとキラキラ感とネクタイがドンピシャで、えっめちゃくちゃかっこいい!!ってなります。

しかもバックダンサーさん、黒スーツにゴールドのネクタイですよ。完全にそういう店じゃん。ラスベガスのショーじゃん(行ったことも見たこともないけど。イメージ)

ネクタイとリボンに分かれてるんですけど
ネクタイ:蜻蛉切、大倶利伽羅、石切丸 リボン:青江、村正、物吉
この配分すごい!なんで私の好みわかったの?神か!!って一人で悶えました。しかも青江はリボンタイ(山姥切長義くんみたいなやつ)ですよ!!
(第三形態に脱ぐ前にタイ外してくるのも良きなので、人間キャスト太鼓後半で出てくるシーン見てみてください)


村正
本当にかっこいい。前回の彼の衣装は黒とピンク(髪の色)でしたが、今回は黒とホットピンク(キャラ色)です。ここで薄いピンクじゃなくて濃いピンク合わせてるの、最高。黒+濃いピンク+ゴールドでゴージャス!髪の毛と同じピンクを裏地に使ってる。この色の配分が素晴らしいです。そして正面は黒に銀のラメラメ生地とホットピンク、サイドはラメなしの黒。パンツは光沢のある黒。生地の使い分けが巧みです。
エストをキュッと絞って裾を広げたシルエットも妖艶さを演出

ノースリーブと長袖のアシンメトリーはもう驚かないですが、ノースリーブの方に肩章(肩のタブ)がないのは良い選択です。何も考えなかったらつけてしまいそうなところをなくしてて、すっきり。

その分左側にデザインポイントが全部載っています

(デザインのポイントをたくさん置くとごちゃついたりとっ散らかって一番見せたいものが映えない)
右側は黒でシンプルだけど生地を変えてたりベストと裾へのつなぎ目の形がきちっとしてて目を引かれない部分もちゃんと作られている。だから目を引かれる方もより素敵に見える。
そしてですね、フリルタイしてない?ピンクのリボンに気を取られてたけど、シャツと同じ色(に+キラキラ)のフリルタイついてるよね?ね?

あとね、髪飾りも素敵だから見て。


蜻蛉切
ジャケットコートがイイ。ロング丈な上に体が大きく面積があるのでバランスを取るために衿を大きくしたくなってしまうところをあえて小さくつくってある。そしてラペルにタブ飾りをつけることでデザインのインパクがでる。脇にでっかく菱形の蜻蛉さんプリント(って勝手に呼んでる)が入っているので、全身で見たときに衿のデザインとのバランスでどっちも良い具合になってるんです。

この衿(ラペル)のデザインすごい!!引き(全身)がかっこいい!!胸上アップもかっこいいけど。
でですよ、シャツとネクタイがまた…シャツの衿が小さくてネクタイが太い。このバランス!シャツの衿が小さいのはジャケットと合わせてもあるしネクタイのボリュームがあるので、というところ。このネクタイベロアかな?光沢あって素敵。
そして、カフスと肩章に(ラペルも)紫のベロアでしょ。シックなのに麗しい!
ベストも左右で生地変えてんのもニクいよね。

コートの中に裏地ではなくて布を重ねてて、それがヒラヒラすんの(後ろのスリットからも見える)、見て!


青江
あのね、今回一番好き。
濃紺のジャケット、いつもの色(後述あり)。パンツはグレーで上下一緒じゃないんだ?ってなったけど、同色じゃない方が断然いい。(素敵なジャケットがよく見える)

ジャケットは左半身はオーソドックスなテーラー衿に対して右半身は衿なし衿なしっていうか着物みたいな衿に赤を重ねてます。このアシメ、よくやったな??そんで見事にしっくり調和しててしゅごい。(全く別のものをくっつけるってやりたがるの多いけどデザインとして成立させるのはかなり難しいです)

よく見ると左半身が紺色でラペルに赤を重ねてます。折り紙とか熨斗袋の差し色みたいですね。そして、それ以外の部分が黒に細かい銀ラメ生地なんですよ!紺じゃなかった。(カフスは紺地の切替)(赤が差し色になっている件について追記しました)
彼のトレードマークとも言える左肩の白い布は小さく軽く、動きに合わせてひらひらします。反面、腰布はいつもの(源氏兄弟とか)ふわふわじゃなくてしっとりした生地で体を動かした時の生地のなびき方が違うんです。飾り紐も揺れて、その三つ(肩の白い布、腰布、飾り紐)の動きの違いがすごくいい
ブレードと飾り紐とチェーン飾り(金一色じゃなくて黒と合わせてちょっと控えめになってるの最高)の金色も全体を華やかにしつつ引き締めていい仕事してます。
あとね、今回もロングブーツ、ありがとう!!青江って感じするよね。


倶利伽羅
言うことは何もない。
でしょ?え、これもうみんな大好きなやつじゃん??
黒無地じゃなくてパイソン(かな?)の押し柄の生地だとかラペルの赤もギラギラだし、シャツは真っ赤だし、ネクタイなんてレザー(合皮)な上に、シルバーチェーン飾りとかつけてその上革手袋とかさ、こんなの着こなせるの大倶利伽羅だけじゃん!!!!
衿もととネクタイ緩めて審神者の心をどうしたいの?!
まくりあげた袖口が紫なの、いいですね。ふふ。
パンツのサイドの太い赤いラインと腰布が長めなのでジャケット丈と相まって全体のデザインバランスが整ってますね。しかもちょっとゆとりのあるパンツにミドル丈のブーツってところがまたかっこいい。これ、ただの黒いパンツだけだったらちょっとつまらないんじゃないかな。


石切丸
ごめんね、色味の差が気になっちゃってそれどころじゃない。
彼だけなんで和なんでしょう?石切丸もがっつりテーラードジャケット見たかったです。もしくは燕尾とか。
石切丸だから許された感を勝手に感じてます。
腰布が二重で、下にキラキラ&軽い布が挟んであってクルッとしたときに綺麗です。


物吉くん
可愛い。キャラ的には100点あげたい。遠目に見るとシルエットが曲線で女の子っぽく見えてしまったところが残念でした。ジャケットの生地がもう少しハリのある素材だったらカットソーぽく見えなかったのになあ…
このあたりは好みと解釈ですね。
腰のふわふわしたラメ入りチュールは可愛い。可愛すぎて、遠目で女子かな?ってなった一因。
このソックスは戦装束からきてるやつですよね。前回もソックスだったけど今回はショートブーツ合わせててこれも好きです。

 
第三形態
割とシンプル。って思ったけど、よく見るとそんなことなくて、随所にちゃんといろんなものが仕込まれてます。

村正と石切丸はその腰のひらひらどこに隠してた?!(第二形態でほとんど見えない。よーく見てると村正は濃いラメ布チラ見えする程度)
倶利伽羅は、ほらーみんな好きなやつじゃん。大倶利伽羅に着せるならこれってやつじゃん。タンクトップのゆとり感が最高。
青江は右に寄せた裾スリットが素肌がちらっと見えそうな長さなのすごい計算。そして背中で私は死んだ。
物吉くんのバミューダパンツ(しかもハイウエスト)にサスペンダーはグッドチョイス!
蜻蛉切はめちゃシンプル。トップスのドレープがキレイに出るようにちゃんとパターン作ってひだの位置調整してあります。これはただだらっと着てるだけじゃないです。

 


突貫で書くとか言ったの誰だ。PC向かって1日が終わりました。(向かう前に十数回見てる)
みほとせ再演もかっこいいよ!ありがとう!!比べるものじゃない、その時その時の目の前にあるものをちゃんと見るのが大事だよね。
今回の私の一番は青江でした。村正と僅差。きっといい席で生で見たら村正だったと思う。

 

上から目線みたいで烏滸がましいんだけど、デザイナーさんの引出しがどんどん増えていってて思いがけないところから飛んできたものが予想外のところに着地する、みたいなデザインされるんですよ。とらわれず縛られず発想が面白くていろんなのをミックスしてくるところがすき。
ぶっちゃけ刀剣男士にみんなが好きそうなかっこいい服着せときゃ及第点じゃないですか。でもそういうことじゃないんだよね!そうだよね!!って脳みそ揺さぶられる。
あと、誰かが好きだと言ってても自分には響かないのもあるし、逆にイマイチだったと聞いてても私としてはおおおってこともある。そのへんは好みの問題ですね。

 

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源氏双騎一部衣装

源氏双騎一部衣装


双騎の一部衣装はデザイナーさんは小原敏博さんです。舞台衣装ではかなり有名な方です。詳しくはウィキとか見てみてください。
まず、このブログは衣装についてのブログなので今回の双騎の賛否だとかそういうのは抜きです。ただし、前提として私は曽我物語を知りません。見たことありません。今回のタイトル発表になって、曽我兄弟じゃない?みたいなザワザワで慌ててググりまくって初めてあらすじをなんとなく読んで理解しきれないままに双騎観劇に至りました。
そのため実は歌舞伎の演目の衣装になぞらえていたとかいうのは千秋楽後のTwitterの博識な皆様の情報で知りました。
というのが大前提で、衣装について感じたことを綴ります。


今までの第一部の衣装=戦装束(+人間キャスト)です。平面を立体にする難しさとかはありますがメインのデザインは出来上がっていますし、衣装の予想も何もキャラクターそのままです。ですから、今回初めて「衣装デザイナー小原敏博」を見た気がします。

 

一部衣装が引き抜き(脱いでいくことで変わっていく)と+αでした。
そのギミックと効果的な見せ方に感心しました。

幼少期
桃色のおべべ(くそかわいい。兄弟で微妙にデザイン違うのがにくい)+膝下が素足で幼さを表現。
(兄は下衣の裾を内側に織り込んで膝で止めてる&弟の膝の黒いの秘密アイテムじゃない?と予想)
今剣ちゃんの内番服にも似たポンポンがついたおべべはあの時代のベーシックな形みたいです。

 

元服
ベースの青い装束(兄弟で微妙に色味違うのもいいよね)
幼少期の桃色の上着なし、膝下はまだ素足。弟は下衣に黒い布を巻いて僧の修行感が出ている。
この装束にはそれぞれ蝶と鳥がモチーフの柄が入っている(後から曽我兄弟のモチーフと判明)&襟元に源氏兄弟の戦装束と同じモチーフ(髭切は丸いやつ・膝丸は扇のアレ)がついている。この辺になんかいろんな意味が込められてんだろうな〜とふんわり感じました。
そして、その襟元のモチーフから伸びる紐が髭切が黒で膝丸が白なんですよ。その先端のふさは戦装束と同じ色味なのに?!

綾なす音(兄弟がそれぞれ歌い、あのポニテになるところ!)
これは曲中に早替えしています。
兄は膝の裾上げを取り裾が長い下衣に。前髪も降ろしたよ!
弟は膝下に黒い脚絆(きゃはん・脚絆 - Wikipedia)。前髪ちょっと伸びたね?

傘の向こうでこの早替えが行われていたんですね。ディレイ配信は映ってるところしか見えない(当たり前)から早く全景欲しいです。

 

仇討ちの許しをもらいに母上と会うシーン
かみしもみたいなのを羽織っています。兄は白、弟は黒。源氏カラーです。ここでやっと上記の紐の謎が解けました。返し衿の色と紐の色が合うんですね。
細かい!やばい!!好きっ
正面は源氏の戦装束を思わせるデザイン×曾我兄弟。なんというミックス。
このかみしも風の羽織はサイドのプリーツが美しい!!舞に合わせてしなやかに揺れる。しかもグラデーション染めでしょ。
センターとサイドのウエストの紫のベルト部分が目を引きました。
このかみしも風の羽織からは覚悟と決意が感じられました。

 

最後の仇討ち
兄:袖を引き絞って丈を上げて、腕当て・脛当て
弟:右袖を抜き、腕当て・脛当て
かっこいいの極み。なんなのこれ。その時の弟のインナーが黒ノースリーブは最大に評価したい。


私は花組芝居さんの舞台を見たことがないので、舞台上で衣装を脱ぎ着することで役割が変わるというのが通常なのかはわかりません。けれど、今回の双騎の中では加納さんのそれがあり、そして兄弟は衣装を変化させることで成長と心情を表しているのは面白いと感じました。
そして演目の特性上、すでにあるものをそのまま衣装化したのではなく、いろんな要素を組み込んで出来上がったお衣装でしょう。
小原さん(デザイナーさん)は博識というか常にいろんな資料を研究されているんでしょうね。
もうほんと、よくできてるなーの一言です。


あのかみしも風の羽織最高だからブロマイド売って?めっちゃくちゃ綺麗じゃない?あのサイドにプリーツ入れてくるとかなんなのその発想。
舞の時に、羽織にはいったスリット(切れ込み)の位置と長さが絶妙ですんごい綺麗でした。運動量的な(踊りに邪魔にならないように)意味合いもあるでしょうが、それをデザインに上手に落とし込んでいると思います。はーーーーー最高。

 

母上他の加納さんや人間キャストの衣装についてはちょっともう覚えてないので割愛です。加納さんがTwitterで一部の衣装は用意されたものと発言されていたのであれも小原さんってことですね。すげえな。なんでも作れるの?神なの?なんなの?それともスタッフがすごいの?平安担当とか甲冑担当とかいるのかな……(時代劇系の衣装なんかは専門の会社的なところがあるとは思いますが)
なんにせよ小原さんの凄さが遺憾なく発揮されたお衣装でした。

 

あとね、縫製がすんげえ綺麗。いい工場とお付き合いしてんだなあと別の意味で感心しました。